歯根端切除術
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歯を残すための治療、歯根端切除術
国立駅徒歩3分にある歯医者「国立スマイル歯科」では、抜歯ではなく歯を残すための治療、歯根端切除術を専門的に行っています。
根管治療を続けても治らず、抜歯と言われてしまった場合でも「歯根端切除術」で歯を助けることができます。大切な1本を抜歯しないで残せるお手伝いができれば幸いです。
歯根端切除術とはどのような
手術ですか?
歯ぐきが腫れる・膿が出る・痛みが出るなどの場合には、根の先に炎症が起きており、歯根嚢胞(しこんのうほう)という膿の袋ができている可能性があります。ほとんどの場合、根管治療を行うと治癒に向かいます。しかし、歯根が曲がっていたり、つまっているために器具が先端まで届かない場合や、金属の土台の除去が難しく根管治療が行えない場合や、根管治療を長く続けても症状が取れない場合には、抜歯が必要と言われることがあります。当院では抜歯と言われた歯を可能な限り残すことを考え、歯根端切除術という専門的な治療を数多く行っています。
「歯根端切除術」とは文字通り、歯根の端を切除することです。根の先端を切断する理由は、原因が根の先にあるからです。手術の流れとして、根の先にある歯根嚢胞(膿の袋)を摘出し、歯根端の切除、を行い、最後に「逆根管充填」を行います。最も重要なのがこの逆根管充填であり、当院では全例、医療用のスーパーボンドという接着性セメントで根管を封鎖します。以下に当院における歯根端切除術の説明と同意書のリンクを貼り付けますのでお読みください。
歯根端切除術のメリット・
デメリットについて
メリット
根管治療で治らなかった場合や、根管治療ができなかった歯を抜歯せずに残せる可能性があります。また、上の被せ物(クラウン)は外さずに治療ができます。
デメリット
歯根端切除術では、外科的な治療のため術後一次的に歯ぐきの腫れや痛みが出ますが、痛み止めや抗生物質でコントロールできます。また、外科処置を伴うため治療後、切開線によっては歯ぐきが下がる場合があります。(歯根嚢胞が根の先端のみの場合は、歯ぐき下がることはほとんどありません。)
ポイント
多くの症例に対応してきた実績
当院では、専門性の高い歯根端切除術を提供しています。過去の実績として年間400例以上の多くの症例を担当させていただきました。患者さまにご来院いただき、「他の歯医者さんで抜歯といわれた」という方や「歯を残したくて何件も回った」という方が、笑顔になるとこちらも嬉しくなります。今までの経験と患者さまからいただいた信頼を大切に診療してまいります。
CTでの診査診断
当院では上・下の奥歯の歯根端切除術や再植術を積極的を行い歯を残しています。その大きな理由として最新の歯科用CTを備え3次元的に歯根の形態や病巣の大きを把握することで適格な手術ができることが挙げられます。特に上顎の6番目の歯は上顎洞という空間と近接しているため、位置関係の把握が重要です。さらに下顎神経と歯根の位置関係を観察することで、神経損傷などの後遺症を防ぐことができます。
スーパーボンド
当院ではサンメディカル社製のスーパーボンドを採用しています。接着性レジンセメントとも呼ばれ、医療材料として安全であり、生体親和性が高く根管の封鎖性にも優れています。当院はこのスーパーボンドを応用した、逆根管充填・歯根端切除術により多くの歯を残してきました。
歯根端切除術の流れ
1.電話で初診の予約をしてください。
2.初診時はレントゲン検査、病気の状態と手術の説明をさせていただきます。
3.歯根端切除術を行います。体調を万全にしてお越しください。
4.翌日に手術した部位の消毒と洗浄を行います 。
5.7日後に抜糸をします。
6.2か月後に経過チェックをします。
7.6か月後にレントゲン撮影、経過チェックをします。
8.1年後にレントゲン撮影し症状をチェック、再発の有無、治癒・完治の確認をします。
症例
大きい嚢胞に対する歯根端切除術。隣在歯の神経温存治療について
23歳男性【左上1~2番、大きい嚢胞に対する隣在歯の神経温存治療】
3か月前に歯列矯正を希望し歯科受診、レントゲンで左上1~2番に大きい陰影を指摘される。症状はない。他院受診し、左上1番は歯根端切除術、左上2番は抜髄(神経を取る)の治療方針を言われる。
心配でネット検索して当院受診、左上1~2番に及ぶ円形の大きい陰影を認め、左上1番の歯根端切除術、嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。根管充填は良好なのに治癒しなかった原因は、大きい嚢胞、根尖部の根管破壊、壊死セメント質であった。
左上2番は術前の電気神経(歯髄)検査で+反応と正常であったため、2番の根尖部の嚢胞を意図的に残す(全体の1/4)隣在歯の神経(歯髄)温存治療を行った。嚢胞を全摘出すれば2番の神経は死んでしまうから。病理検査は歯根嚢胞。1年7か月後、症状なく歯根病変の影は消失し完治、左上2番の神経は温存され経過良好であった。
術前
歯根端切除術 直後
1年7か月後. 完治
考察:大きい歯根嚢胞があっても歯根端切除術は成功する。嚢胞の一部を残しても適切な手術で成功する。嚢胞を取り残すと再発する説は誤りである。嚢胞を摘出した骨面をバーで一層削去する術式は必要ないことを証明している。嚢胞を全摘出していれば2番の神経は死に根管治療を必要としたが回避できた。隣在歯の神経温存治療は非常に有効・有益であり積極的に行う必要がある。
この神経温存治療は現在約50例行ったが経過良好で全く問題はない。1年以上の経過を追う症例を積み上げることで成功率の高い低侵襲の新しい術式が確立される。
2023.5.24
適応症について
歯根端切除術は以下の症例で適用症となります。
1.根管治療をしているが歯ぐきの腫れや痛みなどの症状が治らない。
2.根管治療をしたが歯根先の病巣の影が消えない。
3.歯根が曲がっている・根管がつまっているなどで、根管治療ができない。
4.歯の土台を外すと歯が割れてしまう危険性がある。
5.セラミックなど被せ物が気に入っており、外したくない場合。
6.一度、歯根端切除術を行って再発した場合。